そいつぁつらいぜ分室 〜駐在員細田の語学学習〜

ドイツ駐在員細田がドイツで語学を学びます。主に英語とドイツ語の学習記録。本家はこちら→http://o81hosoda.hatenablog.com/

英熟語(句動詞・頻出フレーズ・イディオム)暗記の第一段階はSILとAnkiで

こんにちは、細田です。
前回のエントリーから少し間が空きましたが、次回予告の通り英熟語(句動詞やイディオムなど)の暗記に取り組んでいます。

アルクの制定する頻出単語、SVL(Standard Vocabulary List)を使って単語を12000語カバーすることができるのは以前のエントリーでも紹介したとおりです。
もちろん認識単語数が増えることによって得られる恩恵は大きいのですが、一語で表現された単語だけを覚えるのでは不十分です。例えば、英熟語(句動詞や定番のフレーズ、イディオムなど)のような、複数の単語でまとまった意味を持つ語句を理解しなければネイティブの言うこと、書く文章は完全には理解できません。

しかし、特に句動詞とイディオムについてまとめた参考書は単語集と比べてあまり多くはなく、その覚えにくさもあいまって多くの英語学習者を悩ませていると言っても過言ではないでしょう。

 

英熟語の登竜門的リスト 今は亡きSIL

さて、1年前あたりのエントリーから試行錯誤の行程を経て、英熟語の暗記には「SIL」(Standard Idiom List)を入手するのがよいと判断しました。


SILは、頻出英熟語6000語のリストです。600語ごとに頻度順にレベル10までに分けられており、例えば以下のような語句が含まれます。

レベル1  agree with / out of breath
レベル2  get hold of / now and then
レベル3  come down with / within the reach of
レベル4  blow over / meet A halfway
レベル5  wash up / be up for
レベル6  act up / the big time
レベル7  gang up on / pipe dream
レベル8  think aloud / ball and chain
レベル9  piss off / short and sweet
レベル10  hit out on / dog it

 

より詳細の学習に入っていく前に、まず登竜門としてSILを覚えていくのがよかろうと思います。

 

さて、このSIL、SVLを制定したアルクによりまとめられたリストなのですが、どういうわけか公式になかったことにされています。
(SVL収載の語句は英辞郎に明記してくれているのですが、SILに関してはそのような表記なし)
SIL収載語句のリストをweb上で入手できますが、訳語がないため、情報の補完に一苦労かかります。(公式ページのアーカイブという形式を取っているため、この情報公開がアルクの意図に反する場合もあるかと思います)

アルクのSVLとSILのリスト : ハイパーバトルノマドワーカー


さて、このようにSILの収録情報を入手する方法が非常に限られている現在、唯一とも言える方法は、

絶版となっている「学辞郎」を中古で取り寄せることです。

学辞郎は、英辞郎のデータの中からSVLとSILだけを抜き出して収録したCDです。
ここからSILだけ、以前紹介したのと同様の方法でレベルごとに抽出し、CSVファイルに整形します。ちょっとSVLのときとは勝手が違いますが、いけます。

kagoblo.net

kagoblo.net

そのCSVファイルをAnkiやPSSといった暗記支援ソフトウェアにインポートすれば、6000語のリストの出来上がりです。あとは覚えるだけ!

 


オーディオで暗記支援 Power Idioms (これも絶版)

SVLに「究極の英単語」のオーディオブックがあるように、SILにもオーディオCDが存在します。
Power Idioms (1〜10)がSILを収録した本です。一冊ごとに600語の見出し語、日本語訳、例文がついています。
例文が学辞郎収録のものと一致しているので、暗記しやすくなるように思いました。私は通勤の車中で流して、見出し語が読み上げられている間に意味を頭の中で思い浮かべるなどして活用しています。

しかし残念ながら、これも絶版。中古でAmazonなどから入手可能ですが、特に8〜10は取引額が非常に高く、私も手を出せませんでした。
1〜7あたりは購入者も多かったのか、比較的安価で入手できることが多いです。自分の学び始めたいレベルに合わせて購入していくことをおすすめします。


SILを暗記するメリット RPGが英語でできる

最後に、SILの暗記によって得られるメリットを紹介します。
もちろん英熟語を一般的な英文読解や会話に活かせることは言うまでもありません。SILを使って、1語の単語では言い表せない細かいニュアンスを乗せることができますし、句動詞や定番フレーズを使うことでよりカジュアルな雰囲気の会話を楽しむことができます。
ネイティブは、かなり頻繁にSILを使っています。英会話の授業でも、講師はhunt down (レベル4)や out of the blue(レベル4) のような知らないと意味のわからない句動詞やフレーズをバンバン使います。それらの意味をはっきり理解できて、スムーズな会話ができていくとよいですよね。

その一方で、最近気がついたのが、特に会話文体が多いゲームにSIL収録語句が多く含まれていることです。この読解に知識を活用したり、逆にゲームを暗記補助ツールとして捉えることで英語学習の一環として楽しんでもいます。

最近発売の「ポケモン Let's Go ピカチュウ/イーブイ」にも、SILがたくさん出てきます。「あっ、この句動詞SILで見たやつ!!」となればしめたものです。大体それで記憶に定着します。
(それ以上にSVL10以上の単語も出てくるので、ひととおりSVLを修了しておくことも同程度におすすめしますが)

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gang up on よってたかって〜を攻撃する、〜を袋叩きにする レベル7収録 

 

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be done in ひどく疲れる、クタクタになる レベル5収録 

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break off 折れて取れる レベル4収録


まとめ

SILの暗記によって、よりニュアンスのこもった、もしくはカジュアルな英文を理解し、発信していくことができるようになります。
現在私はレベル6を攻略中ですが、ここまでに登場したSIL語句を使ってコミュニケーションを取ることができ始めています。
個人的には、SVL終了後にさらに単語数を増やしていく前に、SILを攻略されることをおすすめします。

これが終わればいよいよ辞書暗記。
先達の皆さんのおかげでいろいろ取り組めることが多いことに感謝をしつつ、Ankiカード1枚につき一礼しながら暗記していきます。(1日10000枚は無理ですが・・・)