そいつぁつらいぜ分室 〜駐在員細田の語学学習〜

ドイツ駐在員細田がドイツで語学を学びます。主に英語とドイツ語の学習記録。本家はこちら→http://o81hosoda.hatenablog.com/

英語の語彙力をどう養うか ~究極の英単語シリーズと英辞郎のフル活用メソッド~

大学受験やTOEICで単語覚えまくったみなさん、科学論文ならスラスラ読めるみなさん、突然ですが、自分が意味を理解できる単語数はどのくらいでしょうか?

 

自分の英語の語彙力はどの程度か

とりあえずweblioの語彙力診断を受けてみてください。数分で終わります。

 

https://uwl.weblio.jp/vocab-index

 

 

どうだったでしょうか?たぶん10000語超えてたら日本人の中では相当レベル高いと思います。

 

ちなみに僕が最初にやったときは7000~8000語と言われました(ただし4択なので多少高めに出てます)。

残念ながら、これぐらいの語彙数ではネイティブでいうと幼稚園生とか小学校低学年レベルです。

いくら高級で科学的なディスカッションをしていても、これではこども店長」がお話しているような感じになってしまっているんですね。悲しい。

 

 

ちなみにネイティブの平均語彙数は、

6歳で10000語、11歳で16000語超、20歳で23000語超

と推移していくそうです。

 

http://testyourvocab.com/blog/2011-07-25-New-results-for-native-speakers.php#mainchartNative

 

大人はだいたい20000語から35000語の間に入っているそうなので、要するに成人ネイティブと互角に渡り合うためには最低20000語まで増やさないといけないわけです。

 

これまで「自分はそこそこ語彙力ある」とおもっていたのですが、これらの数値を目の当たりにすると恥ずかしい思い込みだったと正直思います。

実際、英会話学校での授業でも先生が(手加減してくれてるはずなのに)知らない単語を話すことが結構あります。

 

ということで、もうこりゃ語彙力を上げるしかない。そう思い立っていろいろ調べて試行錯誤してます。1か月くらいやってみて自分なりに時間対効果のよさそうなルーチンを見つけられてきたので、そこに至るまでの思考過程と参考資料を紹介したいと思います。

 

以下のやり方を実行した1か月の成果として、Weblioの診断語彙数が平均で2000語程度アップしたことを途中経過として報告しておきます。この調子で増やし続けていきたいですね。

 

 

 何を使って覚えるか

 勿論覚える過程も非常に難儀ではあるんですが、それ以前に、日本語で対訳が書いてある市販の単語集を使って20000語までもっていくのは非常に難しいという制約があります。

たぶんそこまで熱烈に単語数を増やしたいという需要が日本にはそもそも少ないのかもしれません。

 

参考までに、TOEICに出てくる単語はだいたい9000語レベルで事足ります。つまり「TOEIC990単語集」みたいな最上級っぽいものを使っても、覚えられる単語のレベルはせいぜいその辺までですし、TOEIC向けなので扱っている単語に偏りがあります。

ニュースや映画も理解したい、日常会話にも困らないようになりたい、という個人的なニーズにはあまり合致しませんでした。

(余談ながら、キクタTOEICシリーズ自体はいい参考書でした。ご参考までに)

 

英語で意味が書いてある単語集を探すこともできそうですが、意味を英語で読んでいる時間が非常にもったいないので、そのような学習方法はもう少しアドバンストなことをやるべき時期に譲ることにしています。

 

さて、そんな中でお勧めなのが、アルクの「究極の英単語」シリーズ

ネイティブの使用頻度・重要度順に選定された12000語(Standard Vocaburary List; SVLと呼んでいます。1000語ごとにレベル1~12までが設定されている)を4冊でカバーできます。

これをやればネイティブの小6くらいの語彙数を確保できるはずです。

自分はVol2から4までの3冊と、別途リスニング教材を買って併用しています。

 

 

 

どうやって覚えるか

正直言って、ただ本を漫然と眺めているだけだと効率が悪いです。

僕は以下の3つの方法を併用しました。

 

1.フラッシュカードソフトウェア(P Study SystemとAnki)にSVLのレベルひとつごとに突っ込んで1000語ずつまるっと見る。不正解単語はもう一回やり直す

 

2.「究極の英単語」のリスニングスクリプト(だけ)を聞く。

 

3.意味を日本語で思い出せなかった単語は本を見て復習。

 

(4. 2と3を繰り返す。たまに1をやる)

 

つまり、

 

漫然と単語帳を見る前に、知ってる単語と知らない単語を分類し、知らない単語を英語日本語一対一対応でなるべく素早く頭に叩き込んでおき(1)、

そのあとに、英語しか出てこないリスニングスクリプトで例文を聞いて、どれほど例文の意味を理解できるか確認し(2)、

分からなかった例文と単語を本でチェック(3)

 

をやっています。

 

普段は通勤の車中で(2)をやり、休憩時間や夜に(3)をやる、このルーチンを繰り返して復習しています。これで相当定着しました。

しかしながら一番重要なのは(1)だと個人的には思います。ここでどれだけスピーディかつ大量に情報を脳内にぶち込むかが勝負です。

 

 

 

学習支援ツールを活用する

最近は便利な学習支援ツールが増えていますね。ありがたいです。

その中でも「P Study System」(PSS)「Anki」は最も有名な暗記補助ツールではないでしょうか。

 

P Study System

Anki

 

この2つは自分で単語カードを作って学習できるソフトです。PC上で動かしてる限りは基本的に無料です(Ankiのiphoneアプリは3000円)。ありがたいですね。

 

とはいえ、自分で単語カードを12000個作るなんて時間の無駄ですよね。そんな時間あったら単語帳見ますわ。

さてさて、アルクが出しているPC向け辞書「英辞郎」では、SVLに含まれる単語は「レベル〇〇」という表記で明記されています。これのDVD版を買っていくつかのツールを使えば12000語の単語リストをまとめて抽出できます。(もちろん英辞郎自体も一生もんの英語学習ツールになりますしね)

以下のサイトを参考にすればP Study System向けのコンマ区切りファイル(CSVファイル)を短時間で生成できます。

英辞郎からのSVL問題集の作り方 - 某ソフト作者の開発日記

 

同様にAnki向けのCSVファイルも整形可能です。P Study Systemとはちょっと仕様が違うみたいなので気を付けてください。

英辞郎にお金をかけたくない場合は以下のサイトを参考にしてみましょう。ただし訳語のクオリティは著しく落ちます。

 

https://www.neetkun.net/entry/2014/06/23/020404

http://www5f.biglobe.ne.jp/~knight1112jp/page22.htm

 

 P Study Systemを使ってみた感じだと、だいたい1000語さらうのに2時間もあれば足ります。なのでSVLのレベルひとつに該当する1000語ごとにCSVファイルを作っておいて、1レベルごとにやっていくようにしています。

ここで英単語と日本語訳を一対一で暗記していけば、「究極の英単語」の例文が圧倒的に読める(聞ける)ようになります。

この作業以降の分からない(忘れた)単語はリスニングスクリプトを車中で繰り返しつつ本を参照して各個撃破しています。

 

 

SVL以降に何をやるべきなのか

というわけで、今現在SVLのレベル10(「究極の英単語vol4」の冒頭)を攻略中です。

さすがにレベル10以降は全く知らない、推測もできない単語が増えてきたので鬼門だと思いますが、これを超えた先には今よりも少し開けた未来が待っていると信じています。

 

とはいえ冒頭で述べたように、12000語でもネイティブと肩を並べるには不十分でしょう。今後の学習スケジュールとして現在考えていることを列記します。

 

ここから先の単語インプットのためには、ネイティブ向けのglossary を読むか、洋書を読んで新出単語をあぶりだしていくかのどちらかがメジャーなやり方だと思います。

たとえば「word power made easy」とか「Instant word power」「1100 words you need to know」あたりが有名です。ちらっと見てみたところ、「word power made easy」はちょっと難しめ。あと「instant word power」は電子書籍版がないのでkindleを活用したい人には向きません。好みで選びましょう。

 

 

ほかに、大いに参考にさせて頂いたホームページの管理人さんがkindleベースで出されている「SVLの次に頻出の単語」リストもあります。例文などはありませんが、なんとかしてこの本からankiなりPSSなり向けのCSVファイルが作れれば完全無欠のワードリストになるのでは。

 

 http://kanzenmap.nomaki.jp/#OBOEKATA 

http://kanzenmap.nomaki.jp/kako/index.html

 

これからの課題:熟語やイディオムをどうやって攻略するか

 

単語以上に困りものなのが、熟語(複合動詞)とイディオム(日本語で言うところの「慣用句」)です。

現状、上記(1)~(3)の手法をすべて網羅的にカバーできる素材がほぼありません。

(「キクジュク」がそれに近い気がするけれど、リスニングスクリプトが単語と訳だけなので、記憶のフックとして非常に弱い。熟語集としてはよさそうだけど、個人的には物足りなかった)

とりあえず現状では、大学受験のときに使っていた「解体英熟語」を1周しましたが、会話に使えるほど定着した気はあんまりしません。こちらも本としては非常によい出来です。

なので熟語版SVLともいえるSILが収録されている「学辞郎」(絶版なのでamazonなどを使って中古を取り寄せる必要あり)を使おうかなーと思っています。

 

 

ほかには「動詞を使いこなすための英和活用辞典」や「英和イディオム完全対訳辞典」、そしてそれらがデータ化されて収録されている「E-dic 第二版」(PSS教材として使用可との報告あり)を取り寄せて使ってみる予定です。

熟語やイディオムに関してはこのあたりを活用するのが現実的かつ網羅的・体系的なように思います。こちらもある程度やってみたら報告します。

 

 

↓2018/7/6 続編です。究極の英単語をひととおり終え、それに加えて構文暗記をやった結果のまとめと感想を書きました。

hosoda-english.hatenablog.com